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2020年度 春山合宿(杓子岳双子尾根〜白馬岳)


期間:3月10日~3月16日

場所:後立山 杓子岳双子尾根~白馬岳

参加者:L小菅、SL丸山、鈴木、石井、橋本 (コーチ)淀川

 

3月10日  晴  0℃

二股発電所(5:25)~1150m(6:3 5)~1300m(7:45)

                    ~C1予定地(9:25)~二股発電所(1 1:00)

  前日の夕方に高速バスで新宿を出発し白馬 八方バスターミナルに到着した。取り付きで ある二股発電所まで50分ほどかけて歩き、 二股発電所下部の広場にテントを設営し、近 くに着替え等をデポした。翌10日はC1予 定地に荷上げを行う。早朝にラテルネをつけ、 荷上げの荷物を背負って出発する。タイミン グよく同じ日に入山していた明治大学山岳部 とほぼ同じ時間帯に出発し、並行して登って いく形となった。取り付きから送水管を登っ ていく際は、作業道を進んでいく。送水管下 部は雪が溶けて九十九折りの作業道がむき出 しであったが、上部では作業道に積もった雪 が締まっており、どちらも登りやすい。30 分程登ると貯水池に出る。貯水池からは樹林 帯の急坂であり、ところどころ藪が出ていた。 1150m付近でなだらかになり、ここで休 憩をとる。ここからも急坂で、1244m地 点で広い台地となる。どこでも幕営ができそ うである。迷いやすいためテープを頻繁に付 けながら進む。なだらかな登りを登っていき 1300m付近で休憩した。尾根上を歩くこ とを意識しながら木々の間を縫うように登っ ていく。途中1508mのピークを確認した が、ここは経由せずに分岐で西へ進んだ。少 しのアップダウンを経て、急坂を登り切った ら1650m付近の明瞭な稜線上に出る。C 1予定地付近で平らな場所を発見し、ここに 荷物をデポした。少し休憩した後、つけたテ ープの位置を確認・付け替えしながら下って いき帰幕した。

 

3月11日  晴  -5℃

二股発電所(4:55)~C1予定地(7:0 0)~双子岩(8:35)~樺平(10:00) ~AC(12:00)~C1予定地(13:2 0)~二股発電所(14:20)

  小菅が卒業論文の関係で12日の入山とな るため、本日はC1に移動をせず、C1より 上の双子岩まで荷上げをしようと出発する。 C1まではもう荷上げは済んでいるので、か なりスムーズに進む。万が一C1に泊まるこ とになった時のことを考えて最低限の荷物だ けC1に残して先に進む。天気も良く、双子 岩まで元気に進む。かなり早く双子岩までつ いたのと、ACまで近く見えたので、そのま まACまで荷上げをすることにした。途中、 雪面に大きな割れ目ができている箇所とナイ フリッジに25mずつFixを張った。樺平 の大きな木の根元に荷物をデポし、ACの整 地もした。大きな木の少し先にあるボルダー ができそうな大岩が2つある地点を整地し、 AC予定地とした。結果的にこの場所はかな り雪が吹き溜まる場所であったがこの時点で は知る由もなかった。その後、荷物を整理し 帰幕した。 

 

3月12日 曇 0℃

二股発電所(7:30)~1244m付近(8: 25)

                                                             ~C1(9:40)~双子岩(10:4 5)~AC(12:15)

   テント撤収を済ませ、4年小菅と合流した 後、薄く雲がかかる中出発した。前日にAC への荷上げが完了しているため、本日はAC へ移動することにする。歩きやすい雪質の道 を順調に登っていく。C1で前日にデポした 装備を回収し、木に巻き付けた蛍光テープや フラッグを確認しながらACへ向かった。双 子岩からは前日に張ったFixロープを掴み ながら注意して通過した。ACでテント設営 し、行動を終了した。夜から風が強まり、地吹 雪のようになっていた。 

 

3月13日 雪 -5℃ 停滞

 猛烈な風が続くため停滞とした。

 

3月14日  雪のち晴  -5℃

AC(9:30)~JP(12:40)~AC (15:00)

  前日の天気図によると高気圧に覆われる予 報であったが、風は弱まらず、早朝に吹き溜 まった雪を全員でテントラッセルした。あま りに風が強いため9時頃まで天気待ちをして いると徐々に晴れ始めかつ風も弱まってきたためルート工作に出発した。 出発してすぐにアイゼンを装着し、登ってい く。雪崩そうな斜面は間隔を開けて通過した。 時おり耐風姿勢が必要な程の突風が吹く。奥 双子のコルからの急登を登ると連続した岩峰 が現れ、ここで50mFixを張る。最初の 岩峰は八方尾根側にトラバースし再び稜上に 戻る。支点は掘り起こしたハイマツと潅木で 取った。1度ピッチを切り、次の岩峰は白馬 岳側に巻いて30mFixを張った。支点は 掘り起こしたハイマツと潅木で取った。ロー プの予兆はこの先使わないと判断し、切らず にまとめた。その後はロープを出す程ではな いナイフリッジの急登を慎重に登り、JPに 到着した。時間上この日のルート工作はここ までとし、JPに深く掘った雪洞にJP以降 で必要となるFixロープ等の装備をデポし て下山を開始する。若干クラストした斜面や Fix箇所を慎重に通過し、ACへ帰幕した。 

 

3月15日 晴 -7℃

AC(5:15)~JP着(7:00)~JP 発(9:00)

  ~杓子岳(11:00)~白馬岳(12:30)~杓子岳(14:20)~A C(16:45)

 5時にテントを出発する。下界は晴れてい るが山頂付近は雲に覆われており、風の音も 強く感じられる。風向きは大雪渓から吹いて おり、時より突風が襲いかかる。風に耐える 時間が長く中々距離を稼ぐ事ができない。J Pに着くのに2時間ほどの時間を要した。前 日に雪面を掘りデポしておいたFixロープ や登攀具の入ったデポ袋を掘り起こす。回収 した後、山頂を目指して少し進むが、強風が 常に吹き荒れていたため、JPで風が収まる まで待機することにした。デポしていた穴を 1時間程かけて更に掘り、上からツェルトを 被せ、その中に全員入り休憩をとる。1時間 ほど待機していると、徐々に雲が抜けはじめ 杓子岳が見える。偵察に行くと風も弱まって いたのでアタックに向け再び出発する。 JPから目の前の小ピークを超えるとすぐ に小岩峰が現れ、ここを右手から25mFi xを張る。ここを通過すると目の前に雪壁が 現れる。少し登った所でハイマツを掘り起こ し50m程の雪壁を登る。雪壁から先がリッ ジとなっていたため、ロープを連結させ合計 100mFixを張る。目の前には山頂が見 えており、頂上直下のリッジからミックス壁 に続く稜上に50mを張る。ここを通過した らすぐ先が杓子岳山頂となっていた。 ここから白馬岳までは、最低コルまで下った 後、丸山のアップダウンを超え白馬岳の登り となる。1時間半程で山頂につき、時間もな いので写真を撮って直ぐに下山した。 双子尾根の下りのFix全員で交代しながら 回収を行い。ACには日が暮れる前に到着した。

 

3月16日  曇りのち雪  -1℃

AC(7:40)~双子岩(9:00)~C1 予定地(10:30)~二股発電所(12:0 0)

  外が明るくなってきた頃、撤収を開始し各 自パッキングして出発する。双子岩までの下 りは雪が固くなり滑りやすくなっており、少 し危険であった。アイゼンを付ける者は着 け、Fixを回収しながら下っていく。Fi xバー埋めた雪の層は凍っており、掘り起こ すことに時間がかかった。双子岩で休憩後、 小日向山への急斜面で来年度の新歓のために 雪上歩行などの復習や、先月山行に参加でき なかった鈴木のためにアバランチ講習を行っ た。これらを終えた後、雪が降りだし足早に 下り始める。登りでつけたテープを各自回収 しながら、若干トレースが残る道を下ってい く。積もった雪により足をすくわれる場面が 多々あったが、二股発電所まで休憩を挟まず 順調に下って行った。デポを回収し、白馬八 方バスターミナル近くの銭湯まで走り合宿を 終了した。 


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東京農業大学 常盤松会館本館3F 農友会山岳部