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2023年度 春山合宿

期 間:2024年3月14日~2024年3月21日

場 所:北アルプス 毛勝山大明神尾根

行動概要: 3月14日 離京 入山 バスタ新宿~富山駅~魚津駅~片貝第二発電所~片貝第四発電所(420m)(C1)

15日 ~1404m(C2)~C1      荷上げ

16日 〜C2                移動

        17日 〜大明神山2082m(C)~C2  荷上げ

        18日 〜C                移動

        19日 〜毛勝山2414m~C       アタック

        20日 停滞

        21日 C〜片貝第四発電所~片貝第二発電所 下山

 

3月14日 曇

片貝第二発電所(15:25)~片貝第四発電所(C1)(17:25)

 早朝にバスタ新宿に集まり、富山駅まで行く。富山駅から魚津駅まで電車で向かい、タクシーで片貝第二発電所まで向かう。ここからは奥はゲートが閉まっているためタクシーは入れず、着替えなどをデポし、歩き始める。初めは除雪された歩きやすい舗装路を歩く。30分ほど歩いたところで橋があり、ここからは除雪がされていなかった。脹脛ほどの深さがありスパッツ、ワカンを着けて交代しながらラッセルをする。日本海が近いからなのか、湿雪でとても重い。数回雪を踏み抜きながらも片貝第四発電所に着いた。発電所のすぐ横に広く、テントを建てられそうなスペースがありそこに幕営した。幕営後、送水管付近の雪の状態を上級生が見に行き、簡単にトレースを付けた。その後、夜飯を食い就寝した。

 

3月15日 晴れ 1℃

C1(6:00)~貯水池(7:30)~1100m(9:40)~C2(12:00)~C1(14:30)

 朝食中、上級生同士で話し合い14時頃に帰幕するため12時をタイムリミットに引き返すことを決める。まだ薄暗い中、行動を開始する。昨日付けたトレースを辿る。送水管をよく見てみると、始まって数mのところで水が噴き出ていた。恐らく欠陥だろう。そこを避けるため左の雪の斜面を登り巻いた。ここから送水管横の階段を登って行くのだが、斜度があり腿ほどの深さの雪をラッセルしながら登っていく。また、送水管には鉄鋼ロープが付いておりそれを頼りに進む。階段は狭く、急であるため躓きや滑りには注意が必要だ。ここのラッセルは非常に大変で、こんな場所から本当に毛勝山に辿り着くのかと早くもメンタルが削られる。やっとの思いで送水管を登りきり、貯水池に到着する。膝下程度の積雪のため、ここからワカンを着け樹林帯に入っていく。樹林帯の広尾根は迷いやすいためテープを頻繁に付けながら進む。左手に尾根のスカイラインを見つつ、しばらく進むと徐々に尾根が狭くなってきた。1149mのリッジは顕著で、木には古い捨て縄が巻かれていた。登りは慎重に行けばロープの必要はなく、そのまま進んだ。ここからは尾根が広くなく、道迷いの心配はなさそうだ。膝下程度のラッセルは変わらずで、この先数日間これが続くと思うと、またもやメンタルが削られる。晴れているのが唯一の救いである。タイムリミットである12時に1404mのC2に着いた。荷物をデポし早急に帰幕を開始する。下りでもテープを付ける。1149mのリッジは下りでは危険であると判断したため30mFixを張った。樹林帯の広尾根が長く、抜けるのに時間がかかる。貯水池でワカンを外し、送水管の階段を下っていく。下りの階段は滑りやすく、鉄鋼ロープを使いがっちり降りていく。水の噴き出る送水管を巻き、C1に着いた。よく晴れた一日で、とても暑かった。この先もこのような天気が続けばと思うばかりである。

 

16日 晴 2℃

片貝第四発電所(6:20)~送水管上部貯水池(7:20)~1050m(9:05)~C2(10:05)~C2(11:15)

~1525m(12:30)~1525m(13:50)~C2(14:30)

この日は暖かく晴天の中、ヘルメット、雨具上下、スパッツ、テムレス等を装着し、片貝第四発電所を出発した。昨日のトレースがしっかりと残り、送水管横の階段も慎重に行きスムーズに行くことができた。登り終えると、汗ばんできて、送水管上部貯水池の横で、ハーネスとワカンを装着した。ここから、樹林帯の上りに入って行き、所々にピンクテープを追加しながら登って行った。昨日もピンクテープをつけていたので道迷いせず、ここもそこまでトレースは消えずにしっかりと残っていた。1050m付近で、樹林帯だが陽が強く、少し眩しくなってきたのでサングラスをつけた。ここからまた1時間ほど登っていくと、C2に到着した。テント場はコルのちょうど平らになっているところに作ることにした。雪質は少し、湿っており、踏み固めやすかった。テント整地を終わらせると、時間があり天気も良かったので、足つけとFix工作に行くことにした。不要な荷物はテント内に置いて行き、軽荷で出発した。樹林帯のアップダウンを繰り返すと、1525m手前の急登で右側が切れ落ちている。尾根に乗り上げると、道が狭く雪庇も発達しており危険だと判断したためここにFixを30m張った。ここから少し下ると急登となり、すぐに1525mへ着いた。1525mからは100m以上左側に雪庇が発達していて、右側は切れ落ちている状態であった。重荷で風が強い場合は危険だと判断してFixを100m張った。1時間ほどで張り終えると、休憩をしてからC2へ戻った。30分ほどでテントに戻り、この日の行動を終了した。

 

17日 曇 4℃

C2(5:20)~1525m(6:20)~AC(9:40)~AC(10:05)~1525m(11:05)~1525m(12:15)

~C2(13:00)

夜から強風が吹き、午後から天気が崩れる予報も出ていたため、1時間早く出発する。ヘルメット、目出帽、雨具上下などをつけ、登り始めた。昨日のトレースで1525mまで順調に進む。前日に張った1525m手前のFix30mを通過し、1525mの100mのFixも通過していく。ここから脹脛から膝程度のラッセルが始まった。北側の雪庇に気を付けながら南側の樹林帯と稜線の堺を進んでいく。斜面のラッセルを交代していきながら登っていく。大明神山に近づくに従って所々クラストしていたが、すぐにラッセルとなることが多かった。段々急登になってきて、そこを登り上げ、最後に急な雪壁を乗越すと大明神山の台地が広がっていた。乗越す際に南峰の北側には雪庇が非常に発達しているのが見えた。雪壁を乗越してすぐにフラッグを立てた。風が強く、木も所々に雪に埋まった針葉樹が生えている程度で風を完全に防げる場所はなかったが、針葉樹がまばらに生えている南側の斜面をテント場としテント整地をした。斜面の雪を削り、斜面の反対側はウインドブロックを作った。下りの時間を考えてテント整地を30分ほどで切り上げ、ピンクテープを巻きながらC2に戻る。1525mの100mのFixを通過した後、Fixロープがあまっていたので福島と神山でFixを40m延長した。そこからまたC2に向けてピンクテープを巻きながら戻っていきC2に着くとこの日の行動を終了した。

 

3月18日 -3℃ 雪

C2(6:40)~Fix地点(7:25)~1525m(7:50)~1625m(8:05)~1793m(9:45)~2000m(11:10)

~大明神山(12:15)~AC(12:20)

昨日からの降雪でACまでのトレースはほぼ消えていた。ゴミと灯油の空ポリを木の根元にデポし、ACへ出発する。雪の影響で前日よりも視界が悪く雪庇に注意してテープをたどっていく。大明神山が近くなってくると、テープやフラッグに氷が張り付いて見えづらくなっており、斜面もクラストしているところがあった。山頂は風が強く、風があまり当たらない南側にある木の裏側で整地を行った。テン場を広くしながらウィンドブロックを積んでいく。雪は柔らかく、スコップだけで雪ブロックを削り取ることができるほどであった。風でモノが飛ばされないように注意しながらテント設営を行い、アタックに向けて概念把握やストレッチなどをして準備をした。

 

3月19日 -12℃ 曇りのち晴れ

AC(5:40)~2249m(8:45)~南峰(10:10)~毛勝山(10:35)~2280m(11:05)~AC(13:10)

午後から天気が崩れると予想したため、日の出とほぼ同時に出発することとなった。ワカンやハーネス、ヘルメットなどを装備して、皓々と光る魚津市の街明かりを背に毛勝山に向けて出発した。はじめは脛辺りのラッセルをして進む。2025mからの下りはクラストしていたので、アイゼンに履き替えた。雪庇に注意し、樹林帯の際を歩いていく。テープやフラッグの設置は上級生が行った。また、1年生は雪庇側に近づいたり間違えた道に進もうとしたりすることがあったがその都度上級生が指示を出し修正した。登り道は腰ほどのラッセルが続き何度か踏み抜きもあったため進みが遅くなった。2249mの急登では雪付きが多かったためロープを出す必要は無く、上級生が1年生を挟む形で登っていった。

時間が経つにつれて日差しが出てきて、暖かくなってきた。雪面からもワッフ音がしたため、2249mから少し進んだ樹林が全くない雪崩斜面でザイルを出しスノーバーで支点を取り通過した。開始点と終了点にフラッグを立て目印にした。先頭は神山がザイルを張り最後に福島が回収を行ったがこのときにスノーバー一本を回収し忘れてしまった。

雪崩斜面を超えると南峰への登りとなり毛勝山はもう間近で、全員の士気が上がっていく。ここも雪付きが多くロープを出す必要はなかった。ラッセルは深いところで膝下辺りだった。ラストスパートをかけて雪庇に注意して毛勝山へ進む。南峰からは北風が強く打ち付けてくる。毛勝山は雪で覆われていて、何もなかったがアタックが成功したことの喜びを爆発させた。写真撮影を終えた後、ACに向けて出発した。一気にACまで帰幕するため雪崩斜面の手前で休憩を挟み、レーションとお茶を多めに摂る。フラッグの位置からザイルを出して通過するが、このときにスノーバー1本を回収してないことに気づいた。周辺を探したが見つからなかったためやむなく進むことにした。時間が経つにつれて風が強くなりガスもかかってきたが、ACまでは下り道がほとんどでガンガン進むことができた。テント帰幕後は、甘いお茶とプリン、マサラチャイを飲みアタック成功の喜びをかみしめた。

 

3月20日 雪 -12℃ 停滞

AC(5:30)~大明神山~AC(6:30)

夜中から雪と風が強かったが、朝方には風は弱まってきたためテントを撤収し下山を開始する。のっぺりとした大明神山で北側へ刺したフラッグを探すがホワイトアウト気味になり視界が悪いためなかなか見つからない。時間と共にどんどん雪と風が強くなり雪庇と空の境界がわからないほどであったため停滞を決めた。南峰から引き返しテント場に戻ってテント整地を行った。テントを速やかに建てお茶を飲み、シュラフにくるまって休んだ。その後も雪と風は強く、数時間毎にテントラッセルを行いながらの停滞となった。

 

3月21日 雪 -14℃

AC(7:00)~C2(13:00)~C1(16:10)~片貝第二発電所(18:00)

風はほとんどなかったが、雪が降りガスもかかって視界が悪いため、福島と神山でロープを持ってフラッグを探しに行く。相変わらず空と雪庇の境界は分かり辛かったが昨日より見え易い。雪庇に近づきすぎないようロープを張りながらフラッグを探す。しばらくして8割ほど埋まったフラッグを見つけた。フラッグ地点からコルまで50mロープを伸ばし固定してからテント場に戻った。急いでテントを撤収し出発準備を整え下山を開始する。偵察の際のトレースを辿りすぐにフラッグまで着き、1人ずつロープを通過していく。ロープを回収した後膝上ほどのラッセルをしながら稜線を進んでいく。視界はあまり良くないがテープを等間隔で付けていたため迷わずにテープに沿って進んでいく。積雪量が多く、登ってきた時とは違う景色が続いた。ラッセルをしながら樹林帯を下っていく。下っている途中、だんだんと天気が良くなっていき時々青空も見えた。北側に発達する雪庇や積雪量が多くなった雪崩斜面を慎重に通過する。尾根が広くなってく中、天気は曇り空へと戻っていく。1525m前のナイフリッジのFix地点まで行くが雪で埋まっていたため開始点付近までロープに気づかずに通ってしまう。ロープが見え始めてからは終了点を100mほど通り過ぎていたため一度開始点までPASで通り福島が荷物を置いてロープを掘り起こしながら終了点まで戻り回収した。ロープ回収後1525m地点を通過し急登を下るとすぐに次のFix地点に着く。急登のラッセルを苦戦しながら登り、ロープを回収した。緩やかな坂を下っていく、また急登が始まるとすぐにC2に着いた。C2で休憩を挟んで出発する。樹林帯が続くためC2〜AC間よりも積雪量は少ない。1149m付近まで快調に進む。1149mのFixを回収した後、雪面が硬いためワカンを外した。ワカンを外した後もところどころ踏み抜きがあり苦労する。1000m付近で一度道を間違えるがすぐに方向を直してテープに沿って進んでいく。疲れのためか途方もない長さに感じる緩やかな樹林帯を超え、樹林帯を抜けると貯水池が見えた。急斜面を下り貯水池を超え送水管脇を下っていく。積雪によって階段の見えない道を滑らないよう注意しながら進みC1に着く。休憩を挟み、足首ほどの積雪の中進んでいく。雪の中、平坦な道を進んでいくと大型車の轍があり雪がなかったため、轍に沿って道路を進む。1時間半ほどで片貝第二発電所に着いた。あたりは暗くなり始めていたが、アタックを成功させ無事下山できたことの喜びを分かち合った。


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