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2023年度 春山強化合宿①

期 間:2024年2月5日~2024年2月10日

場 所:南八ヶ岳

 

行動概要:2月 5日 離京 入山 八ヶ岳山荘~美濃戸山荘~行者小屋(BC)

     2月 6日 BC~赤岩ノ頭~BC

     2月 7日 BC~赤岳主稜~赤岳~文三郎尾根~BC

     2月 8日 BC~阿弥陀岳北稜~阿弥陀岳~BC

     2月 9日 BC~文三郎尾根~赤岳~横岳~硫黄岳~BC

     2月10日 下山 BC~ジョウゴ沢~BC~八ヶ岳山荘

 

2月5日 雪

茅野駅(9:23)~八ヶ岳山荘(10:35)~赤岳山荘(11:25)~1900m(12:35)~2070m(13:20)

~2200m(14:45)~行者小屋(16:20)

 茅野駅に集合し、そこからタクシーで八ヶ岳山荘まで向かう。雪は少し降っていて、空は曇っていた。そこで、雨具上下、スパッツ、オーバー手を着けていると、八ヶ岳山荘の人のご厚意で山荘の中で着けさせていただいた。装備を着け終わると体操をし、合宿を始めた。まず、歩きやすい林道を歩き始めた。1時間ほどで赤岳山荘に着き、休憩をとった。このとき、赤岳山荘の温度計は-4を指していた。少し、汗ばんできたためスパッツは脱ぎ、オーバー手はつけたままで行くことにした。赤岳山荘から分岐を南沢の方へ向かうと傾斜が徐々に急になってきた。この辺りから山下と鈴木に顕著な遅れが見え始め、鈴木は体調が悪くなっていた。美濃戸山荘を超えた辺りで自衛隊の方々とすれ違った。2070m付近で鈴木は体調不良のため、荷抜きをしたが、山下は体力強化のため荷抜きはしないこととした。何度か橋を渡り樹林帯を抜けると沢筋に出る。ここから膝程度のラッセルとなり、さらにペースが落ち始める。また樹林帯に入っていき、しばらく歩くと行者小屋に到着した。到着すると、目出帽、毛手を着け、テント設営をすることにした。このとき、大場と酒井は手が悴んでしまったため、トイレで風を凌ぐことにし、テルモスに指を入れると徐々に回復した。鈴木はめまいが酷く、屋根のあるところで休んでいた。その間、福島、神山、山下が早急に4人用テントを設営し、ラジウスをつけた。そこに大場、酒井、鈴木が入り、暖を取った。また、このあと6人用テントも設営し、酒井と大場がお茶を準備している間に福島、神山、山下で残りのテント設営をした。後で鈴木が熱を測ると発熱していた。行者小屋の水場は凍っておらず融雪の必要はなかった。天気が悪く、イレギュラーな入山となってしまったが、お茶を飲むと身体が温まり、この日の行動を終了した。

 

2月6日 雪 -5℃

BC(7:30)~2350m付近(8:50)~2450m(10:25)~赤岩ノ頭(11:15)~2690m付近(11:30)

~赤岳鉱泉(12:30)~BC(13:30)

鈴木は昨日の入山時から体調不良を訴えており、山下が今日の朝から頭痛を訴えていたため、2人をテントキーパーとし、それ以外のメンバー4人で行動を開始する。八ヶ岳周遊をするという予定だったが、行動できる上級生が一人減ったため周遊は危険と判断した。この日は行者小屋から赤岳鉱泉、赤岩ノ頭を経て硫黄岳を目指し、ピストンで帰幕するという行程に変更された。

雪が終始ちらついていた。雨具上下、ビーコン、スパッツ、目出し帽、毛手袋、オーバー手袋を着用し、ピッケルを持って出発した。また、5日の夜から毛下着上下も引き続き着用していた。行者小屋から赤岳鉱泉、そして赤岩の頭まで、トレースは全くなく、常にラッセルであった。赤岳鉱泉までの下り道は膝辺りまでの積雪量であり、ツボ足でリズムよく進んだ。赤岳鉱泉を通過し平坦な雪道を少し進んだところで積雪が深く歩きづらくなってきたため、ワカンを装着した。ここから赤岩の頭までの急登を4人で交代してラッセルをする。時折一瞬晴れ間も見えたが空は曇っている。1年生はワカンを装着しての初めてのラッセルであり、福島からペース配分などを教わった。ラッセルしていると手が汗ばむ。暑くて雨具のフードを被っているのが嫌になるくらいだ。しかし、昨日部員3人ほどが凍傷になりかけたこともあったため、部員が寒くないか、随時福島が声かけをしていた。やはりラッセルは上級生2人が早く長く続いており、1年生との経験の差を感じた。赤岩の頭までは、ワカンをつけていても腰ほどまで雪に埋まってしまうときもあるくらいの積雪であった。赤岩ノ頭の少し手前で森林限界を迎えたが、ガスっていてほぼ何も見えない。ここでテントキーパーの鈴木とトランシーバーで交信し、11時30分まで硫黄岳の頂上を目指し、そこから引き返すことにした。また、眩しかったため、ここでサングラスを着用した。ワカンを装着したまま硫黄岳頂上までの稜線を歩いたが、積雪は薄く、ちらほらとガレた地面が見える。滑落しないよう注意しながら2690m付近まで進み、そのままピストンで降りた。自分たちが登りでつけたトレースを下る。途中、ジョウゴ沢付近で長野県警察山岳遭難救助隊5人ほどとすれ違った。硫黄岳方面での遭難者を捜索中とのことであった。この遭難者はこの日の午後2時頃に硫黄岳の山頂2700m付近で遺体で見つかったということが下山後に分かった。部員らはこのまま順調に下り、無事に帰幕しこの日の行動を終了した。

 

2月7日 曇り -11℃

BC(6:25)~赤岳主稜取り付き(8:20)

【福島=大場】

登攀開始(8:45)~赤岳山頂(14:30)

【神山­=酒井=高野OB】

登攀開始(9:00)~赤岳山頂(15:00)~BC(16:20)

 鈴木と山下は昨日同様、体調が優れないためテントキーパーとする。文三郎道の方向へ進んで行くがすぐにラッセルとなり、ワカンを着ける。脹脛ほどのラッセルをしながら樹林帯を進んで行く。樹林帯を抜け、尾根に上がると徐々に積雪は浅くなっていった。尾根から外れ取り付きへ向かう手前でハーネスやヘルメットなどを着けた。ここで高野OBと合流した。取り付きまでのトラバースで、雪崩の危険があったためロープを張った。取り付きには顕著なチョックストーンがある。開始点は雪を掘り起こすと出てきた。

1P:核心であるチョックストーンを上がる。ここを抜けるとルンゼを上がり、右に曲がると岩壁にボルトが打ってありここでピッチを切る。

2P:岩壁を左側へ登っていく。ここから雪稜が続く。45m進んだところでボルトが2つ打ってある小岩があり、そこでピッチを切る。

3P:雪稜を進んで行く。中間の岩場に突き当たったところでピッチを切った。支点は少ない。

4P:中間の岩場を登る。ハーケンで支点が取れ、ここを越えると再び雪稜が続く。雪稜では滑落するような箇所は少ないが、支点があまり取れないので注意する必要がある。45m進んだところで、岩に打ってあるボルトでピッチを切る。

5P:雪稜を進んで行く。同様に支点は少ないので注意する。上部岩壁に取り付いたところでピッチを切る。雪稜を進む途中、左手に岩壁が近づいてきたところで捨て縄があるが、そこを進むと難しいため、間違わないように注意する。

6P:上部岩壁を登る。初めは足を大きく上げるような階段状の岩場が3m程続く。ここを抜けると歩きやすいテラスとなる。ここではカムやピナクルで支点を取った。進んで、岩壁が近づいてきたところでルンゼが3つあるが、右以外は支点が取れず、難しいため行かないように注意する。足の悪いトラバースをした後、右のルンゼを登る。支点はトラバースの時と、ルンゼの取り付きで取れる。ここを抜けると雪稜となり、ボルトでピッチを切る。

7P:雪稜を上がり、ルンゼのある岩壁の取り付きでピッチを切る。

8P:ルンゼを上がり、雪の斜面となる。ピナクルでピッチを切り登攀を終了した。

 赤岳頂上山荘で5分ほど休憩を取った。風が強く、気温も低いので山頂で記念写真を撮った後、下山を開始する。文三郎道を下って行く。視界があまり良くなく、道迷いに注意しながら歩いていく。BCに着き、下山される高野OBに挨拶をしこの日の行動を終了した。

 

2月8日 晴 -17℃

BC(7:30)~阿弥陀岳北稜取り付き(10:30)

【鈴木=大場】

登攀開始(10:50)~登攀終了(12:05)

【福島=山下=西出OB】

登攀開始(11:00)~登攀終了(12:30)~中岳沢コル(13:15)~BC(14:00)

 雲もなく晴れていたが、非常に冷え込む夜だった。朝食後西出OBと合流し、ワカンを付けて出発した。前日の下山時に膝の状態が悪くなったため、酒井はテントキーパーとして残ることになった。文三郎道を進み、分岐点で阿弥陀岳方向へ向かうがこの分岐点からラッセルとなった。ピンクテープを探しながら交代しながらラッセルして進んでいく。途中沢をトラバースし、尾根に向かって急斜面を登っていく。ここで神山の体調が悪化し、この先の行動は難しいと判断し一人でテントへ下山することとなった。尾根上のリッジをラッセルして進むとJPに到着する。ここから露岩帯の急登となるため、アイゼンとハーネス、ヘルメットを付けた。急登は1年の下に上級生が付き、慎重に進んでいく。登り切ると岩峰に到着する。ここから登攀を開始する。

1P:岩峰左のクラックから取り付く。クラックから稜上に出て雪のついた岩稜を進んで
いく。雪に埋まっているが、灌木などで支点をとることができる。ここを登ると岩峰に到着し、40m程でピッチを切る。

2P:岩峰を右上していく。ここを登るとナイフリッジに出る。ナイフリッジを通過し、なだらかになったところで40m程でピッチを切る。

ここから雪稜をコンティニュアスで登っていく。少し登ると阿弥陀岳頂上に到着する。頂上でザイルと登攀具をしまい、写真を撮って下山を開始する。中岳のコルまではトレースがついたが、所々露岩している急斜面を慎重に下っていく。コルでアイゼンとハーネスを外し、中岳沢を下っていく。雪崩の危険を考慮して間隔をあけて下ることにした。次第に沢が広くなり、文三郎道の分岐に合流しまもなくBCに到着した。

 

2月9日 晴 -14℃

*周遊メンバー 福島、鈴木、大場、山下

BC(6:30)~赤岳主稜取付地点(7:30)~赤岳(8:30)~赤岳展望荘(8:45)~三叉峰(9:50)~硫黄岳(11:20)

~BC(12:30)

神山は前日の咳が悪化したため、元々膝の調子が悪く下山予定だった酒井と共に個装を持って西出OBと下山することとなった。アイゼンとヘルメットを装着し、西出OB達と別れ、踏み固められた雪道を進み始めた。赤岳までの登りは途中から傾斜が急になり上級生が下級生の後ろにつく形で登った。赤岳を越えると、強い西風が吹いており、フードや目出し帽で顔を覆い対処した。天気は快晴で日差しが眩しい。赤岳展望荘でサングラスを装着する。稜線上は登山者がほとんど見られず貸し切り状態だった。横岳付近の細い岩稜帯を慎重に進んで行く。岩稜帯は雪がくるぶしあたりまで積もっていて足を置きやすかった。しかし、西風で雪が舞い上がり、身体を打ち付けた。急なアップダウンを繰り返し硫黄岳までの緩やかな斜面を登る。硫黄岳で記念撮影を行い、下り道を軽快に進んで行く。赤岩ノ頭から樹林帯に入ると風も無くなりさらに快調に進む。休憩を挟まず赤岳鉱泉に着き、アイゼンとヘルメットを外してBCへ進んでいく。中山乗越まで少し登ると、そこからは平坦な道となる。BCに到着後、体操を行い、4人用テントを撤収して本日の行動を終えた。

*下山メンバー 神山、酒井、西出OB

BC(6:50)~美濃戸山荘(8:20)~八ヶ岳山荘(9:10)

昨日午前頃から咳が止まらず、息が上がると訴えていた神山の体調が少し悪化したため、膝を痛めていた酒井と西出OBの計3人で下山することになった。酒井、神山は個装のみを持ち、西出OBダブルロープ3本を持っていただき下山した。気持ちの良い晴れた天候である。雨具上下とスパッツのみを着用して出発した。入山時にラッセルした行者小屋下部あたりも踏み固められており歩きやすい。積雪は行者小屋下部あたりの深いところで膝下辺りまでの高さであった。標高を下げるにつれ、美濃戸山荘辺りでは、足首辺りまでの高さの積雪量の箇所もあった。八ヶ岳山荘辺りは膝辺りの高さの積雪量であった。途中、多くの登山者とすれ違った。南沢を順調に下り、美濃戸山荘で休憩をとり八ヶ岳山荘まで下って合宿を終了した。

 

2月10日 晴 -14℃

BC(5:35)~F1(6:10)~アイスクライミング終了(9:50)~行者小屋(11:00)~赤岳山荘(12:50)

~八ヶ岳山荘(13:20)

 

暗い中ラテルネの明かりを頼りにジョウゴ沢へと進んでいく。ジョウゴ沢に着く頃には周りが明るくなっていた。F1までトレースを進む。F1に着きアイゼンやバイルの準備を行い、上級生はF1を迂回して木を支点にトップロープを張った。上級生、下級生共にトップロープでF1での初めてのアイスクライミングを楽しんだ。アイススクリューを打ったり、擬似リードを行ったりと4時間ほどF1でアイスクライミングを行った。十分にクライミングを行った後、登攀具をまとめ行者小屋に戻る。すぐにテントを撤収しパッキングを行った。小休憩を挟んだ後、下山を開始した。土曜日のため途中、多くの登山者とすれ違いながら進んでいった。トレースがしっかりついていためスムーズに進んでいった。一気に赤岳山荘まで下り、休憩を入れる。雨具やビーコンなど不必要なものをしまい、駆け降りを始めた。雪が残る道を全力で走り、八ヶ岳山荘まで走り抜けた。八ヶ岳山荘前で体操を行い合宿を終了した。八ヶ岳山荘の御主人にコーヒーやサイダーを頂き、皆の合宿後の疲れた身体に炭酸が染み渡った。


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東京農業大学 常盤松会館本館3F 農友会山岳部