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2023年度 春山強化合宿②

期 間:2024年2月28日~2024年3月5日

場 所:南八ヶ岳

 

行動概要:2月28日 離京 入山 経堂駅~甲斐大泉駅~天女山登山口

     2月29日 天女山登山口~前三ツ頭

     3月 1日 停滞

     3月 2日 前三ツ頭~権現岳~キレット小屋

     3月 3日 キレット小屋~文三郎道分岐~行者小屋

     3月 4日 石尊稜

     3月 5日 赤岳主稜~行者小屋~八ヶ岳山荘 下山

 

 

2月29日 曇

天女山登山口(6:10)天ノ河原(7:10)~1820m(8:20)~2050m(9:35)~2300m(10:50)

~前三ツ頭(11:10)

前日の夜に甲斐大泉駅から歩き、天女山登山口で前泊した。テントを撤収し体操をして出発する。薄く雪が積もる舗装道を歩き、すぐに左手に天女山登山口の看板が見え登山道へと入って行く。緩い斜面の疎林帯を進むと天女山に着く。天女山と書かれた岩を通り過ぎて樹林帯を進んで行く。積雪は脛ほどあったがトレースがついており順調に進む。しばらくすると開けた場所に出て天ノ河原に着く。ゆるい傾斜が続き、樹林帯を進む。1820m付近で休憩を挟み、急登が始まるためアイゼン、ピッケル、テムレスを着けた。休憩後、緩やかな傾斜がだんだんときつくなっていく。左手の段々と細くなる沢を見ながら進み2050m付近で休憩をとった。代り映えしない樹林帯に飽き飽きしながら急登を登っていくとスカイラインが見え始め、稜上に着く。前三ツ頭の看板そばにザックを置きテント場を探した。看板から少し進み稜上東側に緩やかな傾斜があったためスコップやピッケルでテント整地を行いテントを張った。予想以上に雪が硬く整地に苦労したがその甲斐があり快適なテント場で過ごすことができた。

 

3月1日 雪後晴 -1℃

停滞

強い南岸低気圧の前線の影響を受け、風がとても強い。キレット小屋までは危険箇所が多く、本日の行動は危険だと判断し停滞とする。9時ごろから風も弱っていき、青空も見え始めた。9時過ぎに福島、鈴木、山下で三ツ頭まで足付けを行った。テントに残った神山と大場は、テント整地を行った。11時前に福島達が戻り、お茶を飲んだ。明日の行動に向けて体を休めた。

 

3月2日 晴 -14℃

前三ツ頭(6:30)~三ツ頭(7:10)~権現岳(9:30)~旭岳(10:40)~キレット小屋(12:20)

昨日に比べ非常に寒い朝である。テントを撤収し出発する。稜線では西風がとても強く、バランスを崩しそうになる。昨日のトレースが残っており、スムーズに三ツ頭に着いた。風が強いため、先にあるコルで休憩を取った。顔面凍傷になっていないか、お互いに確認する。ここから権現岳への上りとなる。東側に雪庇が発達しており避けながら登っていく。岩峰が近づいてきた2650m付近で左へトラバースする。急斜面で雪面が硬く、アイゼンを効かせながら歩く。権現岳に到着したあたりから風も先ほどよりも弱くなり歩きやすくなってきた。ハシゴは想像よりも危険ではなく、慎重に下れば全く問題なかった。旭岳への上りは東側に雪庇が発達していたため、ルートを見ながら登る。旭岳から雪深くなり脹脛ほどのラッセルが続く。また、尾根が細い場所やクライムダウンを必要とする場所があり権現岳通過後も気の抜けない箇所が多い。ラッセルを交代しながら進んで行き、ツルネを越え、下って行くとキレット小屋が見える。キレット小屋には斜面のキツイ場所が多く、テントが張れる場所がないので小屋の裏にテントを立てた。

 

3月3日 晴後曇 -13℃

BC(6:40)~2500m(7:25)~2860m(9:45)~行者小屋(11:30)

 テントを撤収し、アイゼンを付けてキレット小屋を出発する。稜線上は前日同様にトレースはなく、膝下程度のラッセルをしながら進んでいく。40分ほど進み樹林帯から出る手前の風の凌げる場所で休憩をとる。ここから赤岳への急登を登っていく。途中積雪が少なくなったところで1年の下に上級生が付き、慎重に進んでいく。夏道を辿り、雪のついた岩稜の急登を登っていくが風が強く歩きづらい。しばらく登っていくと真教寺尾根との分岐に着く。分岐からトラバースし赤岳方面へ向かう。赤岳頂上と文三郎道との分岐手前で雪崩斜面があったため、1人ずつ慎重に通過する。分岐から頂上へは行かずに、文三郎道から行者小屋へ向かう。行者小屋へ到着し、素早く整地を行いテントを設営する。行者小屋の水場は問題なく使用できたため、融雪は行わず水を汲んで食当を行った。

 

3月4日 雪 -11℃

行者小屋(5:20)~取り付き前(6:20)~取り付き(6:40)

【福島(3)=大場(1)=山下(1)】

登攀開始(7:00)~登攀終了(11:55)

【神山(2)=鈴木(3)】

登攀開始(7:10)~登攀終了(12:00)~地蔵の頭(13:00)~行者小屋(13:30)

雪が降る中、雨具のポケットに主食を入れヘルメット、ラテルネ、カッターシャツを身につけ石尊稜に向かって出発する。はじめは雪が踏み固められていて歩きやすく快調に進んでいく。石尊稜への分岐はトレースがあり分かりやすかった。分岐でカッターシャツを脱ぎ、ワカンを装着した。傾斜は緩やかだったが石尊稜の取り付きが近くなると傾斜が急になった。雪崩斜面があったため、一人ずつ慎重に進む。左手の稜上の木々が薄くなって沢が広くなったあたりで石尊稜へ登る。稜に出ると左側の樹林帯が安定していたため、ワカンを外して、ハーネスとアイゼンを装着し、取り付きに向かう。露岩している急斜面を登り傾斜が緩くなってくると取り付きに着く。

1P(45m):取り付きは傾斜が強く余り安定していない。大場がザックを落としかけたが神山がすぐに拾い谷底に落ちるのを防いだ。概念通り最初の支点が離れていたためリードはピッケルを使いながら慎重に登っていた。15mほど登ると短い雪稜が現れた。登り切ったところにある灌木でピッチを切る。

2P(40m):ビレイ中寒く感じるため、福島のパーティは合間を見てカッターシャツを着た。最初のロープワークが杜撰だったため、早くもキンクした。ザイルを解きながら2人がかりでビレイする。ビレイを始めた辺りで神山が追いつき50cmほど離れた場所でピッチを切る。登攀自体は特に難しくなく、ピッケルを使いながら登る。支点は灌木で取った。

3P(45m):灌木混じりの簡単な雪稜を登っていく。

4P(50m):傾斜の強い斜面を5mほど登ると、段々と緩い傾斜になっていく。しっかりと蹴り込めば簡単に登ることができる。灌木でピッチを切る。

5P(50m):ヤセ尾根を進んでいく。道は平坦だが、最後に急な斜面がある。

6P     :コンティニュアスでナイフリッジを進む。右側には雪庇が発達していた。ナイフリッジの奥にある急な斜面を左上して上部岩壁まで進む。ガスがかかり、強風のため視界は悪い。

7P(25m):支点でセルフを取り、ビレイの準備をする。山下が回収したギアが絡まってしまい、ギア整理に時間がかかってしまった。また、大場がここで環付きカラビナを落とし谷底へ消え去った。強風で雪が舞い上がり前髪やまつげが凍り視界がさらに悪くなる。階段状の岩壁を登りピナクルでピッチを切る。

8P     :コンテで岩混じりの雪稜を稜線に向かって進む。登り切ると広い雪面が現れ、ここで登攀を終了した。

登攀終了後、コイルをして休憩を取った。5分ほどで神山たちも登攀を終えてきた。ここで鈴木が寒さを訴え雨具の上からセーターを着て行動する。辺りはガスがかかり、視界が悪く、登山道を探しながら稜上を進む。雪崩斜面では一人ずつ慎重に通過し、道に迷いながらもロープや鎖を見つけて地蔵尾根から行者小屋まで帰幕した。

 

3月5日 曇後雪 -10℃

BC(5:05)~取り付き(5:40)

【神山(2)=大場(1)】

登攀開始(5:50)~上部取り付き(7:15)~登攀終了(8:40)

【福島(3)=山下(1)】

登攀開始(6:00)~登攀終了(8:55)

~赤岳(9:10)~BC(9:50)~BC(10:40)~赤岳山荘(11:40)~八ヶ岳山荘(12:35)

この日は午後から天気が悪くなることが予報されていたため1時間出発を早くした。雨具上下、ヘルメット、アイゼン、ハーネスなどを装着し、出発した。出発時、辺りは暗かったが、雪は降っておらず、行動にふさわしい天候であった。行者小屋から文三郎道をハイペースで登っていく。20分くらい登った辺りで鈴木が手の痛みを訴え、凍傷の疑いがあったためテント場におりてもらった。そのまま神山、山下、大場は登り続け、福島は鈴木の団装を取りに下り、後から追いついてきた。鈴木はBCへ戻り、お湯で加温すると痛みが和らいだ。取り付きへのトラバースは慎重に少し間隔を空けて行き、顕著なチョックストーンで登攀を開始した。

1P(40m):核心のチョックストーンを抜ける。雪付きが多く、そこまで難しくなく、スムーズに通過できた。ここを抜けてルンゼを通り、右に曲がると岩壁にハンガーボルトが2つある。

2P(45m):岩壁を左側へ登っていく。登り上げると雪稜に入り、ハンガーボルトが2つ打ってある岩でピッチを切った。

ここから中間の岩場までは雪稜で危険箇所が少ないことや時間短縮のためコンテで行った。中間の岩場にはボルトが打ってあり、分かりやすい。

3P(45m):中間の岩場を登る。ハーケンで支点が取れ、ここを登り上げると雪稜がまた続く。岩に打ってあるボルトでピッチを切る。

ここから上部岩壁までも雪稜で危険個所が少ないため、気を付けながらコンテで登る。上部岩壁取り付きにはボルトが2つ打ってあり分かりやすい。

4P(40m):上部岩壁を登る。階段状の岩場を3mほど最初に登り上げると、足場の悪いところを右へトラバースし、右のクラックを登り上げると雪稜となり、ボルトでピッチを切る。

5P(40m):雪稜を上がり、ルンゼを登り岩壁の取り付きでピッチを切る。この雪稜を登っているとき大場のアイゼンが外れる。神山はシーバーでBCの鈴木と交信を取る。

6P(45m):ルンゼを登っていき、雪の斜面となる。ここからは危険箇所はないのでピナクルでピッチを切り、登攀を終了した。

 

ここから赤岳頂上山荘まで登っていき、風の防げるところで両パーティーが合流した。この時、雪が降り始めた。登攀具をしまい赤岳頂上で写真を撮り、文三郎道を下ってBCへ向かう。本来、明日下山予定であったが、鈴木の手に凍傷の疑いがあったため本日下山することにした。                                     テント撤収とパッキングを行い、少し休憩をしてから八ヶ岳山荘に向かって出発をした。天気が悪いためか人とすれ違うことなくスムーズに行き、赤岳山荘に着いた。ここでカッターシャツ、毛手、オーバー手袋、スパッツ、目出帽、ビーコンを外し、八ヶ岳山荘まで一気に駆け下った。鈴木は凍傷の疑いがあるため、オーバー手袋は外さずに行った。林道はタイヤの跡が凍っており、非常に滑りやすかった。大場は複数回転倒していた。20~30分程で全員が八ヶ岳山荘に到着し、体操をして合宿を終了した。


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東京農業大学 常盤松会館本館3F 農友会山岳部