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2019年度 夏山合宿

期 間:令和元年8月7日(水)~8月22日(木)

場 所:北アルプス 剱岳定地〜上高地縦走

参加者:

L 3年 小菅悠人

    2年 鎌田諒 河野宝 齊藤孝太郎 鈴木真太朗 丸山瑞貴

  1年 石井壱征 橋本哲 名取智陽

    OB 淀川裕司 岩附正樹

 

8月7日 晴のち雨

室堂(9:00)~雷鳥沢キャンプ場(9:30)~剱御前小屋(12:25)

~剱沢キャンプ場(13:30)~真砂沢キャンプ場(BC(16:25)

室堂で準備体操を済まし、雷鳥沢キャンプ場まで進む。雷鳥沢キャンプ場で少し早めの休憩を取り剱御前小屋までの九十九折りの急坂を登る。途中で淀川OBと合流した。2400mあたりで重荷により足取りが重くなる者が出てきたため、荷抜きや重量の分担を行った。何とか剱御前小屋につき、休憩を取る。その後、一気に剱沢キャンプ場まで下っていた。下っている途中に雨が降り始め剱沢キャンプ場に着くころには本降りとなった。少し休憩を取り、急いで真砂沢キャンプ場まで進む。剱沢雪渓では重荷を持っての雪渓歩きに慣れておらず転ぶ者がいた。真砂沢キャンプ場手前は滝になっておりテープに従って夏道を歩いて迂回した。真砂沢キャンプ場にテントを張り本日の山行を終了する。

 

8月8日 晴 14℃

BC(6:50)~長次郎谷出合(7:15)~熊ノ岩(8:55)~BC(14:30)

BCを出発し剱沢雪渓を登っていくと長次郎谷出合に到着する。スパッツ、オーバー手袋、ヘルメットを付けて雪上歩行訓練を行った。雪上歩行訓練の後、長次郎谷を熊ノ岩まで登っていく。熊ノ岩にてコンティニュアス、スタカット、滑落停止訓練を行った。その後、明日の源次郎尾根隊の偵察のため2800m付近まで長次郎谷左俣を登っていく。雪の状態を確認した後、熊ノ岩まで下っていく。途中で訓練を兼ねて懸垂下降で下った。熊ノ岩に着いた後は淀川OBから懸垂下降時のフリクションノットによるバックアップの取り方、登り返し、ATCによる懸垂下降を教わりながら何度も練習した。その後、BCまで一気に駆け下った。

 

8月9日 晴 14℃

<源次郎尾根>

淀川(OB)小菅(3)丸山(2)齊藤(2)鈴木(2)名取(1)

BC(4:25)取り付き(5:30)Ⅰ峰(9:20)

〜Ⅱ峰(10:15)~剱岳山頂(12:20)~BC(16:10)

小菅、丸山、齊藤はFixを張るために先に剱沢雪渓を登って源次郎尾根の尾根ルート取り付きに向かう。前に2パーティおり渋滞していた。小菅が先行をして、取り付きか40mFixを1本張った。Fix終了点に浮き石があるので注意しながら進んだ。その後、ハイマツ帯を進む。その後、しばらく進んだ所で小菅が2本連続でFixを張った。2本目は20m、3本目は15m張り、3本目は肩絡みでビレーをした。その後、ハイマツ帯から尾根に上がる手前で小菅が4本目のFixを張る。ここは、張らなくてもいい。4本目のFixが終わり小菅、鈴木、齊藤が先行して進むが、ロープがないことに気付き、齊藤が一人でロープを取りに戻る。ロープを後方からもらい、4本目のFixを張った所から少し行った、開けた尾根上で5本目のFixを張る。このFix箇所は、スラブ上の岩場であったが、ガバは豊富にあり傾斜も比較的緩やかである。その後しばらく登るとⅠ峰に着く。Ⅰ峰からはクライムダウンをして下る。コルからⅡ峰まではロープを出してもいいが、今回は出さずに登った。Ⅱ峰頂上からは30mの懸垂下降を行った。25mで懸垂下降を行い、そこからクライムダウンして下ることもできる。ここからガレた岩場を登り頂上へと至る。Ⅱ峰の頂上あたりから水不足となり、剱岳頂上に着く頃にはほとんどの者がバテていたため、当初計画していた長次郎谷からの下降は危険と判断して、一般ルートである別山尾根から下る。

 

<雪上訓練>

鎌田(2)河野(2)石井(1)橋本(1)

BC(5:30)〜長次郎谷出合(6:00)〜平蔵谷出合(6:25)

〜武蔵谷(8:00)長次郎谷出合(10:50)〜BC(12:00) 

雪上訓練隊は朝食の片付けを済ませ、5:30に出発した。ナムの滝を左岸から巻き、雪渓に出る前にスパッツ、オーバー手袋、ヘルメットをつける。日は出ているが、山に遮られ、雪渓に日が当たらないためまだ固い。長次郎谷を飛ばし急斜面を登りきり平蔵谷出合手前に着く。ここで明日の源次郎尾根取り付きの箇所を探す。平蔵谷出合の右側の草付きに踏み跡があり、そこから取り付くことを確認する。その後、平蔵谷付近の斜面で雪上歩行を行った。平蔵谷から武蔵谷までの剱沢の斜面でスタカットの訓練を4ピッチこなす。そのまま真砂尾根側の斜面でFix通過の練習を行った。Fix通過の練習終え、シーバーで定時交信をした。武蔵谷から源次郎尾根ルンゼルート手前での交信ができた。別山尾根からの下降になった時に備え雪渓の確認をするためコンティニュアスで剱沢上部の偵察を行った。上部は雪渓が薄くなっている箇所もあったがルートを選べば通れると判断。再びシーバーで交信を行う。剱沢上部から源次郎尾根Ⅱ峰懸垂下降点は交信ができた。偵察を終え11時の長次郎谷出合からのシーバー交信のため雪渓を下る。11時前着き休憩を取り交信行った。長次郎谷出合から剱岳山頂で繋がった。交信が終えた後、ツェルト搬送の練習を行った。12時頃、BCに帰幕する。

 

8月10日 晴 13

<源次郎尾根>

淀川(OB)小菅(3)鎌田(2)河野(2)石井(1)橋本(1)

BC(4:55)〜源次郎尾根取り付き(6:40)〜Ⅰ峰(8:00)

〜Ⅱ峰(9:00)〜劔岳山頂(10:00)〜熊ノ岩(12:00)〜BC(13:40)

前日の源次郎尾根隊の水不足を踏まえ、水ポリを一人一つ持っていった。また、一度に飲みすぎないように注意した。BCから夏道、雪渓をつめて平蔵谷出会いまで向かうと源次郎尾根の取り付きが見えてくる。草をかき分けて取り付きに着く。初めは前日同様40mのFixを張り、木の根や岩を足場にしながら登っていく。ハイマツ帯をかき分けしばらく進むと、前日Fixを張った箇所に出る。前日同様、お助け紐を垂らしながらFixを2ピッチ張る。前日に4ピッチ目のFixを張った箇所には今回はFixを張らなかった。その後にあるスラブ状の岩壁には15mFixを1ピッチ張った。Ⅰ峰の下りは、クライムダウンでも下れそうであったが、Fixを張って懸垂下降を行った方が早いと判断し懸垂下降で下りた。コルからⅡ峰まではところどころFixを張っても良さそうな場所はあったが張らずに岩稜を注意しながら登っていく。Ⅱ峰からは50メートルの懸垂下降を1回行った。1時間ほどガレ場を登ると剱岳山頂に出る。天気も良く、富山湾や槍ヶ岳まで見渡せて一同の気持ちが晴れたようであった。頂上から岩稜をところどころクライムダウンして長次郎谷左俣へ向かった。左俣で50mFixを3ピッチ張り、熊ノ岩まで行く。そこから駆け下ってBCに戻った。

 

<雪上訓練隊>

鈴木(2)斎藤(2)丸山(2)名取(1)

BC(5:50)~平藏谷(9:00)~BC(12:00)

 片付けをしてから出発した。長次郎谷出合で雪上歩行をした後、平蔵谷の少し上のところで滑落停止訓練をする。その後、明日の登攀に備えて、岩場を想定したマルチピッチの練習をひたすら行った。二人一組になって、シングルロープで2ピッチ登り降りを繰り返した後、三人一組でダブルロープでの登攀を想定してシステムの確認を行った。源次郎尾根隊を出迎えるためにBCに戻った後はお茶を作って帰りを待っていた。 

 

8月11日 晴 13℃

BC(:00)〜登攀開始(:50)〜Ⅴ・のコル(12:30)〜BC(15:40)

<Aフェース魚津高ルート>

淀川(OB)=石井(1)、小菅(3)=齊藤(2)、

丸山()=河野()=名取()、鎌田(2)=鈴木(2)=橋本(1)

1ピッチ目 (淀川パーティ、丸山パーティ)顕著な凹角は直登せずに三ノ窓側の一段上がったところから登攀を開始する。クラックが多いためカムも使って途中支点を作り進む。その後、凹角を左上し、一般的な1ピッチ目のルートと合流するここからホールド、スタンスが豊富である。左上していくとテラスがあり、そこでピッチを切る。

      (小菅パーティ、鎌田パーティ)左右ある凹角のうち一般的な取り付きと思われる左側から登攀を開始する。右側に比べて残置のハーケンなど支点が多い。階段状の岩場をしばらく進み、小ハング手前まで行く。小ハングをトラバースする。このトラバースが少し怖い。

      その後、右側のルートと合流し、チムニーを忠実に登っていくとテラスに出て、ここでピッチを切る。

2ピッチ目 カンテ沿いを登り、右の凹角を登って行く。スタンスが小さく浮石もあるため注意して立ち込む。登っていくとレッジが現れる。概念上ではそこから2mほど登ってテラスでピッチを切る予定であったが、アルパインヌンチャクやクイックドローを使いきったため、丸山パーティはレッジ上の懸垂下降用の支点でピッチを切った。その他のパーティは一つ上のテラスでピッチを切った。

3ピッチ目 階段状のガレ場を越える。大岩が現れるが傾斜が緩いため簡単に登ることできる。少し登るとAフェースの頭に到着する。リードは、ロープの流れを考えながら支点を取る。最終支点はハイマツで取ることができる。

Aフェースの頭から、踏み跡の先の懸垂支点には他のパーティがいたので、ハイマツで懸垂支点をとり、懸垂支点手前のハイマツ帯から25m懸垂する。ハイマツ帯なら、クライムダウンでも下れる。次の懸垂支点は、捨て縄が多く巻かれたハイマツであり、そこからのコルへと50m懸垂下降した。

                                  

<Cフェース剣稜会ルート>

淀川(OB)=鎌田(2)=鈴木(2)

取り付き(11:00)~Cフェースの頭(14:30)

~Ⅴ・Ⅵのコル(15:50)~BC(16:40)

魚津高ルートの登攀終了後、時間に余裕があったため、淀川OBの判断により、上級生の経験を積ませる事を目的に、淀川OB=鎌田=鈴木で剣稜会ルートの登攀を行った。

1ピッチ目 正規の取り付きより少し右のクラックから登った。晴れて岩肌が乾燥していたため全体的に手足のホールドが安定して決まり、快適に登る。凹角を抜けたところでピッチを切った。

2ピッチ目 上級生の経験を積ませることが目的であったため中間支点の取り方の一環として淀川OBがハーケンを序盤に打ち込んだが、鈴木は回収できなかった。浮石が多かったが、安定して登りやすい凹角を抜けると横に伸びた広いテラスに出て、ここでピッチを切る。

3ピッチ目 ここでも、淀川OBがハーケンを使用して支点を作成していたが、鎌田は回収することが出来なかった。前のパーティが登ったルートよりも少し左側の凹角から登り、広いスラブへと出る。そこを超えるとまたもや凹角が出現し登り終え、リッジ手前の狭いテラスにハイマツで支点をとり、ピッチを切った。

4ピッチ目 核心のリッジである。簡単な岩場を乗り越えるとナイフリッジが見えた。 リッジを右に回り込んで手と足で突っ張って進む。途中足場が遠い所があって怖かったが、何とか抜ける。ここはトラバース気味にリードは進んでいるため、ロープの流れを意識し、抜けた直後のハイマツで支点を作成しピッチを切った。

5ピッチ目 安定したホールドのある岩場を上へ登って行くため、安心して登る。15m程進むとCフェースの頭に到着し、ピッチを切った。

登攀終了後、懸垂下降を行おうと考えていた懸垂支点が既に別のパーティに使われていたため、1ピッチ目の懸垂は止め、斜面をクライムダウンで下った。その後、鎌田が50m懸垂下降を行う。2ピッチ目の懸垂支点はハイマツに隠れており分かりづらかった。2ピッチ目も50m懸垂を行い、Ⅴ・Ⅵのコルへ降りた。その後、長次郎谷を下り、BCへ帰幕した。

 

8月12日 晴 15℃

<八ツ峰上半>

BC(5:55)~熊ノ岩(6:35)~取り付き(7:00)~Ⅵ峰(8:00)

~Ⅷ峰(9:45)~八ツ峰の頭(10:30)~BC(14:00)

長次郎雪渓のⅠ・Ⅱ峰間ルンゼ付近は雪渓が薄くなっているので、源次郎尾根側の岩の上を進む。熊ノ岩付近からⅤ・Ⅵのコルを目指す。上半では例年あまりFixを張らないのだが今年度は練習もかねて取り付きを含む多くのところでFixを張った。取り付きで登攀具を着けて登り始める。Ⅵ峰につくまでにFixを4ピッチ張った。人数が多かったこともありFixのおかげでスムーズにⅥ峰まで行けた。しかし、ザイルの受け渡しに少し詰まった場面もあった。Ⅵ峰からは25m懸垂を一回、50m懸垂を一回行う。その後Ⅶ峰を巻き、Ⅷ峰の登り地点まで行く。踏み跡がクレオパトラニードルの方まで続いており、取り付きを通り過ぎてしまわないように注意する。Ⅷ峰の登りは所々危険な箇所があったので、鎌田がFixを出す。八ツ峰の頭からは50m懸垂を一回行い、長次郎谷右俣から下る。人数が多かったのでパーティ内で先行する者、Fixのザイルを回収する者などで自然と役割が分かれた。先行していた者が、雪渓にスノーバーで懸垂支点を取り、雪渓を3ピッチ懸垂した。人数が多かったこともあり、懸垂をすることで大幅な時間短縮になった。熊ノ岩上部で全員が集まった後、少し休憩をとりBCに帰幕した。

<齊藤下山>

BC(6:10)~剱沢キャンプ場(8:00)~剱御前小屋(8:50)

~雷鳥沢キャンプ場(10:00)~室堂(10:45)

パッキングを済ませ剱沢雪渓を登っていく。平蔵谷の出合いにて壊れて補強した水ポリから水が漏れだしたのに気づいたがすでに手遅れで水がなくなった。剣沢キャンプ場手前にて脱水で足取りが遅くなる。剣沢キャンプ場にて水の補給を行い剣御前小屋に向けて出発する。剣御前小屋を過ぎそこからは九十九折り下り坂となる。雷鳥沢キャンプ場からは階段を登っていき室堂にて下山する

8月13日 晴 16℃

<Cフェース剣稜会ルート> 

小菅()=橋本()、鎌田()=鈴木()

BC(5:00)~取り付き(6:40)~Cフェースの頭(14:00)

~Ⅴ・Ⅵのコル(15:50)~BC(16:40)

取り付きへ向かう途中、雪渓を避けて夏道を通過するのだが前日よりもかなり手前で岩場に入ってしまい取り付きへ向かうのが遅くなった。取り付きに着いた他大学のパーティが3組ほど登攀の順番待ちをしていた。このような事態が重なり、実際に剣稜会ルートへの取り付きが遅くなってしまった。

1ピッチ目 先行は小菅=橋本パーティ、後続に鎌田=鈴木パーティの順で登っていく。11日に淀川=鎌田=鈴木パーティで登った際の取り付きである右側のリッジから登ろうとしたが、大きな落石があったので中央のスラブに取り付くことにした。岩場の状態はかなり良く、凹角を抜けるまで問題なく登れた。両パーティとも凹角を抜けた後の小さなテラスでピッチを切る。終了点は豊富だが、先行するパーティは確保する順番を考え奥に詰めて取ると良い。

2ピッチ目 浮石が多く、ロープで巻き込んで落とさぬよう流れを気にしながら登って行く。11日に残置したハーケンの内1枚の回収を試みるが取れず、後続の別パーティの方に回収していただいた。クラックの中で折れ曲がり抜けなくなっていたようだった。浮石の多い凹角を抜けると広いテラスに出て、ここで両パーティともピッチを切る。

3ピッチ目 九州大学パーティの順番待ちをし、しばらく経った後に小菅がリードで登った。ロープの屈折が多くなるため、流れに注意しながら登る。広いスラブを抜けた後、凹角を登り切ったリッジ手前の狭いテラスで両パーティはピッチを切る。

4ピッチ目 リードはセカンドが落ちた場合に大きく振られないよう、支点の取り方を注意しながら登って行く。トラバース気味に進み、少しガレ場を登った所で両パーティはピッチを切る。

 

11日の行動と同様、1ピッチ目の懸垂はハイマツにロープが絡まる可能性があるため、クライムダウンを行いながら下る。2ピッチ目の懸垂は25mで行った。3ピッチ目の懸垂は2日前とは違い、ハイマツに隠れた支点を用いず、もっと右寄りに存在する懸垂支点から50m懸垂下降を行った。その後、Ⅴ・Ⅵのコルから長次郎谷に出て、BCまで駆け下った。

 

<Aフェース魚津高ルート>

 丸山()=名取()=淀川(OB)

登攀開始(:50)~1P終了(:30)~2P終了(:10)

~3P終了(:50)~懸垂終了(10:20)

 全て丸山がリードをした。一回行ったことがあるので、前回よりスムーズに行くことができた。

1ピッチ目 左の方から登り始める。左のルートの方が右より難しい。

2ピッチ目 前のパーティの後ろについて登っていった。2ピッチ目の終了点は2つあり、前のパーティが先に支点を作成していたので、ロープの下を通り、凹角を少し登って出ったところにあるテラスで支点を作成した。

3ピッチ目 終了点のハイマツは前のパーティが使っていたので、ロープが交差しないように考慮しながら、踏み跡の途中にある岩に捨て縄を巻いて支点を作成した。

懸垂は、25m一回、50m一回の計二回である。1回目の懸垂支点は明瞭な踏み跡を辿っていくと足元あたりに出てくる。2回目はそこから少し下ったところにあるハイマツに捨て縄がたくさん巻いてある支点を利用し50mの懸垂下降を行なった。懸垂下降終了後、取り付きまで戻る道はとてもガレているので慎重に下る。

                                

<Cフェース剣稜会ルート>

丸山()=名取()=淀川(OB)

登攀開始(10:55)~1P終了(11:20)~2P終了(11:40)

~3P終了(12:00)~4P終了(12:20)~懸垂終了(14:30)

 

魚津高ルートの登攀終了後、少々休憩を入れた後に移動し、剣稜会ルートに取り付く。順番待ちが無かったためすぐに取り付けた。

1ピッチ目 丸山がリードで登り始める。ビレー点よりも右から取り付く。比較的斜面も急でない上に手足の置き場もしっかりしていたので登れた。ピッチは凹角の上で切った。

2ピッチ目 2ピッチ目は比較的落石が多いので注意が必要だ。階段状のリッジを登った後にハイマツ帯を登る。ハイマツ帯は、リッジをいくのでザイルの流れを考える必要がある。ハイマツ帯を抜けた上のテラスでピッチを切った。

3ピッチ目 淀川OBがリードで登っていく。凹角左のスラブを登っていくが、2ピッチ目よりもホールドが乏しくなった気がした。

4ピッチ目 4ピッチ目も淀川がリードで登っていく。登り始めは、比較的優しくて登りやすかった。上の方へ行くと草付となってくる。草付周辺は少しホールドが少ないがそこ以外は比較的難しいところはない。

懸垂下降は途中まで八ツ峰の下降ルートを進む。明瞭な踏み跡がある。また、長次郎谷側へ降りることを意識する必要がある。ある程度まで歩いていったところで長次郎谷側へ懸垂下降する。25m、50m、50mの3本の懸垂下降をした。懸垂支点は、ハイマツに捨て縄が巻いてあるものであった。

 

8月14日 晴 14℃

 BC(6:40)~平蔵谷出会(7:50)~劔沢キャンプ場(9:35)

~剣御前小屋(10:35)~雷鳥沢キャンプ場(11:50)

 真砂沢キャンプ場を出発し、長次郎谷出会の手前まで夏道を進んでいく。滝の近くの雪渓はまだ残っていたが、下が大きくえぐれていつ崩落してもおかしくない状態であることが確認できた。夏道より劔澤雪渓に合流する際にはヘルメット、サングラス、スパッツ、オーバー手袋を装着し、ピッケルを手に持ってから取り付いた。1時間ほどで平蔵谷出会に到着し、一度休憩をとる。丸山がパッキングをし直している間、他の登山者も劔澤雪渓を登ってきていて、人が多いことに気が付く。再び雪渓を詰めていき、45分ほどで夏道に合流する。他の登山者の妨げにならないよう道幅の広い場所を選んでヘルメット、サングラス、スパッツ、オーバー手袋を外し、ピッケルをしまう。夏道に合流してからは道中の岩に塗布された黄色の目印を忠実に辿っていくと良い。黙々と登っていき劔沢キャンプ場に到着する。計画ではここで幕営し行動を終了する予定であったが、台風10号の接近に伴う天候の悪化が予想されたため、雷鳥沢キャンプ場まで移動することにした。劔沢キャンプ場に比べて雷鳥沢キャンプ場の方が風の影響が少ないと考えられたためである。劔沢キャンプ場から別山へ向かう道をしばらく進み、剣御前小屋への分岐を右に行く。分岐を通り過ぎてからすぐに剣御前小屋を黙視することが出来る。ガレた道なので浮石に注意しつつ着実に歩を進めていき、1時間ほどで剣御前小屋に到着する。本日の本格的な登りはここまでで、雷鳥沢まで下り続けていくことになる。浮石や他の登山者とのすれ違いに気を付けつつ、眼前の雷鳥沢キャンプ場を目指しひたすら下っていく。草木が背の高さを越しはじめるようになってからしばらくすると雷鳥沢キャンプ場へ渡る橋が見えてくる。台風の接近を想定し、岩附OBに助言をいただきながら風向き、水の流れ等を考慮し幕営する。その間小菅と鎌田が室堂へ荷下ろしに向かい、洗濯ネット1枚、おろし金1枚、ザイル6本、スリング袋3つ、登攀具袋4つ、スノーバー4本、トランシーバー1台、トランシーバー用の予備電池1set、薬品()2つ、パルスオキシメーター1台を部室宛てに送った。配達用の窓口は室堂バスターミナル2階のお土産売り場レジカウンターで扱っており、重さではなく箱の大きさで送料が決まるようであった。2箱合わせて3200円程で送ることが出来たので驚いた。配達の手続きを済ませた後、下山される岩附OBに挨拶をし、雷鳥沢キャンプ場へ戻って本日の行動を終了した。

 

8月15日 曇のち雨 17℃

 停滞

雨はそれほどでもなかったが風が強く、稜線上での歩行は危険だと判断して停滞することにした。行動食用の弁当を昼食代わりにした。台風10号の接近による影響で、16日の午前中まで続くということだったのでテントの補強などを行い備えてから就寝した

 

8月16日 雨 14℃

 停滞

朝のキャンプ場は穏やかであったが、山は雲で覆われ本格的な雨を予感させる。朝食の洗い物を終えた辺りから次第に風が強くなり、あっという間に暴雨風へと変わった。9時30分に再び様子を見て判断することにしたが、依然として天候が回復する見込みはなく停滞することにした。雨は降るというよりも横から殴りつけてくるようで、強風によってテントが飛ばされないか不安であった。何度かテントに物が飛んでくることもあり、夜になっても緊張は解けずにいた。

 

8月17日 曇14

雷鳥沢キャンプ場(5:40)〜一の越山荘(7:10)〜龍王岳(8:00)〜鬼岳東面(8:45)

〜獅子岳(9:30)〜ザラ峠(10:40)〜五色ヶ原キャンプ場(11:25)

雷鳥沢キャンプ場を出てしばらくは勾配のない道を行く。その後ガレ場を40分ほど登り、勾配のある舗装された石の道を登っていくと一の越山荘に出る。風が強く、雨具の上を着た者もいた。一の越山荘からはつづら折りの道を登り龍王岳に着く。登山道を下って龍王岳、鬼岳のコルに着く。そこから少し登ると鬼岳東面に出る。岩の登山道の下り登りをすると獅子岳に出る。獅子岳からはひたすらガレ場を下るとザラ峠に出る。途中、ハシゴやクサリもある。そこからはザラ峠の登り返しがあり、木道に出てしばらく行くと五色ヶ原キャンプ場に到着した。

 

8月18日 晴のち曇 12

五色ヶ原キャンプ場(6:30)~鳶山(7:10)~越中沢岳(9:00)

~スゴの頭(10:35)~スゴ乗越(11:30)~スゴ乗越キャンプ場(12:05)

準備体操をして出発する。五色ヶ原キャンプ場を出て、しばらく木道を歩き、鳶山のゆるやかな上り坂を登る。その後、越中沢岳に向かって進んでいく道は少し岩稜帯が続くが特に問題はない。山頂到着後下り、急登をスゴの頭まで登る。スゴの頭からキャンプ場までアップダウンが激しい上、一度見えているのに、いつまでも着かないという状態に少々苦しめられる。またスゴ乗越までの下りは段差が大きいため、転倒したり膝を痛めたりする者がいた。それを耐え抜くとスゴ乗越キャンプ場に着く。

 

8月19日 晴のち雨 13℃

スゴ乗越キャンプ場(6:20)〜間山(7:25)2832m(8:39)

〜北薬師岳(9:20)〜薬師岳(10:10)〜薬師峠キャンプ場(11:55)

スゴ乗越から低木層に囲まれた斜度の強い登山道を登る。次第にハイマツ帯に変わると同時に斜度が緩み稜線上沿いの道となる。しばらく進むと正面にピークが見える。これを登りきると間山に着く。その後はしばらく快適な稜線上沿いを進む。徐々にガレた岩場に変わり岩の大きさも1〜2m程になる。小ピークを左から巻き込みながら登る。小ピークから北薬師までは有峰湖側の稜線沿いを進む。この日は有峰湖側から風が吹上でいた。平坦なガレた稜線を詰め、北薬師岳へ15分程登るとピークに着く。北薬師から薬師岳までは小ピークを1つ越す。小ピークの手前で小さいリッジがあるため注意する。小ピークから30分ほどガレ場を登る薬師岳山頂となる。山頂からは、広くザレた尾根をしばらく下り薬師小屋に着く。そこから少し下ると薬師平の緩やかな木道歩きとなる。さらに下ると大岩混じりの道に変わり、その後徐々に樹林が増え、樹林帯の歩きとなる。小さな沢を1つ横切ると薬師峠キャンプ場に間も無く着く。

 

8月20日 雨 15

薬師峠キャンプ場(5:20)〜太郎小屋(5:40)〜北ノ俣岳(7:20)

〜黒部五郎の肩(10:00)〜黒部五郎岳(10:10)〜黒部五郎キャンプ場(12:10)

雨の降りそうな中、薬師峠キャンプ場を出発した。しばらくは木道が続く。太郎平小屋を過ぎて緩い坂を登っている最中に雨が降り始める。しばらく登り、平らな道を通過した後、緩やかな斜面をまた登ると北ノ俣岳に出る。勾配のない道を行き、岩場、ガレ場を下っていく。この当たりで雨が本格的に降り始める。その後、ガレ場と砂利道をしばらく登っていく。しばらくすると黒部五郎岳手前の急登になる。天気も荒れ、暴風雨となる。そのため急登では休みを取れず、黒部五郎の肩まで一気に登った。暴風雨での稜線ルートは危険と判断し、黒部五郎の肩に荷物を置いて山頂に行き、戻ってカールルートを行くことにした。そこかは岩場、ガレ場の急な下りとなるのだが、ここで多量に降った雨が登山道を流れ始める。ぬかるんだ地面に苦戦する者も多かった。その後も雨量は収まらず、登山道が次第に川のようになっていく。ところどころ飛び越えなくてはならない場所もあった。その後も水の流れる勾配の少ない登山道をしばらく行くと黒部五郎キャンプ場に着く。一同、ずぶ濡れであった。

 

8月21日 雨 13

黒部五郎小屋(6:30)~三俣蓮華岳(8:10)~双六岳(9:25)~双六キャンプ場(10:20)

準備体操を行った後、天気が悪い中上下雨具を身に着け、歩き始めた。序盤は樹林帯の急登を登る。稜線に出てからはなだらかな登り降りを繰り返しピークをいくつも越えている間に三俣蓮華岳の山頂に着く。この辺りからますます天気が悪くなる。双六岳に上がる登りもゆるやかであるった。山頂を過ぎると、辺りが霧で覆われ登山道が分かりづらかったが、石を積み上げた目印に従って進む。なだらかな草付きのある下りを下っていき、双六キャンプ場へ到着した。キャンプ場はコルのような場所のため、悪天候ならば風が強く吹き込み、テントを張るのが大変である。

 

8月22日 雨 13℃

双六キャンプ場(4:55)〜千丈乗越(7:55)〜槍ヶ岳山荘(8:55)

〜槍ヶ岳(9:20)〜ババ平(12:30)〜横尾山荘(14:20)

〜徳沢ロッジ(15:55)〜明神館(16:55)〜上高地(17:50)

ラテルネをつけ出発する。樅沢岳までは九十九折りのザレた急登を登り、稜線上沿いを進むと樅沢岳となる。その後緩やかな稜線沿いを下り硫黄乗越を通過する。そこから左又乗越までも同じ様な起伏の少ない緩やかな稜線沿いの道となる。左俣乗越の直前で一箇所鎖場があるので注意が必要である。左俣乗越から40分ほど稜線沿いを進み徐々ガレた岩場と変化する。鎖場が連続して注意して進むと千丈乗越に着く。新穂高温泉側からの風が吹き上げており注意しながら進む。新穂高温泉側の稜線沿いを進みしばらくするとピナクルが現れる。そこから20分程急登を登りつめると槍ヶ岳山荘に到着する。槍ヶ岳へは、ハシゴが連続するため注意しながら登る。ババ平までの下りは、ガレた岩場をひたすら下り樹林帯に変化する樹林帯からは単調な下りがひたすら続き、整地された砂利道に変わると間も無く横尾山荘に着く。そここから平坦な道のりを経て上高地に到着する。


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東京農業大学 常盤松会館本館3F 農友会山岳部